経理業務のミスを減らす方法とは?
経理業務で起こりやすいミスを防ぐ方法とは?
経理の業務は膨大な数字を扱う場面が多いため、ミスが起こりやすい業務だといえます。しかし、小さなミスが企業全体の損失につながることも理解しておかなければなりません。こちらでは、経理業務で起こりやすいミスとその対策について、詳しく紹介しています。
ミスが起こる原因を特定する
経理業務に限らずどんな仕事でもミスは起きます。特に経理は膨大で細かな数字を扱う仕事であるため、ミスは起きがちです。しかし、ミスが起きるのは当然だと思考停止をすればミスは減るどころか多くなる一方。ちょっとしたミスが全体に悪影響を与えて、数百万、数千万、数億円単位のずれになれば大混乱です。
ミスを減らすには普段から注意は必要ですが、完全になくなるわけではありません。その前提に立ってどんなミスが起きやすいのか、客観的に理解しておくのが重要なのです。
経理業務で起こしやすいミスとは
経理業務は注意していても起きやすいミスがあります。知っておけば普段から自然と意識するようになるでしょう。その結果、ミスを減らせるのです。
入力ミスは起きやすいミスです。100を1,000と見間違えたり、1234と打ったつもりでも見返してみると1243だったり、勘定科目に別科目の数字を入れてしまったりするのもよくあるミスです。
仮請求書と正式な請求書が別々の取引だと勘違いして二重計上になる、貸方と借方を逆に入力してしまうのも起こりやすいミスだといえるでしょう。小さなミスも度重なると、結果の数字も無茶苦茶なものになるものばかりです。普段から意識しておけばミスを減らせるでしょう。
経理のミスを減らすための具体的なポイントとは
起きやすいミスを注意できていても、完璧に避けられるものでもありません。集中したくても時間がない、プライベートで気がかりなことがあるなど複数の要因で集中力が切れてミスは起きます。
そのため、ミスは起きるという前提に立った対策を考えてみましょう。たとえば、一人ではなく複数人の間でミスがないかチェックする体制を整えるのです。チェックリストの作成やルールの構築とともに、チェック時の流れを特定の担当者以外の誰がしても同じくできるようにマニュアル化しましょう。
単純に複数人でダブルチェックをすれば、誰かが見落としてもほかの人がカバーできます。忙しく経理の人数が少ない状況でも、ほかの部署の人にサポートしてもらえます。外部の専門家にチェックしてもらうことも有効でしょう。
見直しを習慣化する
「見直し」を習慣化するのも大切なことです。ルールやマニュアル、複数人のチェック体制を構築しても責任感を放棄してはいけません。入力や作成書類を意識して見直してください。電卓での計算を一度で終わらせるのではなく、二回程度行う慎重さを持ちましょう。
経理業務を効率化させる
経理業務を効率的にし、スムーズにすることはミスを回避する方法のひとつです。無駄な作業が増えれば、集中力が切れ、経理業務に使える時間も減って慌ててしまい、結果ミスにつながります。経理業務を効率化させてスピードアップできれば、見直しやチェックにかける時間も余裕を持って確保できるのです。
準備段階では業務フローを洗い出し、ムダな作業がないかチェックしましょう。同じような業務があれば集約化し、まとめてしまえば効率化できます。そのうえで業務のマニュアル化とスケジュールを構築すれば、担当者以外も経理業務を把握できるのです。
必要資料を分類してムダな作業を減らす
経理業務の効率化のために、事前にやっておきたいことが「資料を分類してまとめること」です。業務中に必要資料がどこにあるのかわからないと、ムダに時間が過ぎるだけになってしまいます。よく使用する資料をまとめて分類すれば、探す手間も時間も省けます。
分類方法も、ラベルやバインダーを活用すれば、経理担当者以外でもわかりやすくなるでしょう。ほかにも、紙の資料ばかりではなく会計ソフトや経費生産システムなどを活用してデータを電子化すれば、資料探しも簡単になり業務全体の効率化を図れます。
組織的なミスの対応方法
ミスの記録を行う
ミスに対処するのは当然ですが、それだけでは不十分です。ミスが起こった際には、そのミスがいつどこで、どのようにして、何が原因で起こったかを記録しておくことが大切です。あとからその記録を確認すれば、ミスが起こった原因やその傾向を把握することができるからです。
タスクの管理
タスク管理とは、業務内容を細かく分割し、優先順位ごとに配置し直すことです。これによって、多大な作業のどこから手を付ければいいのかわからないといった事態を防げます。また、現在の作業の進捗状況を把握することも簡単にできます。
オフィスの環境改善
業務内容に対する直接的なアプローチ以外にも、業務を行う場であるオフィスの環境も経理ミスを防止する重要なファクターです。オフィスの環境を改善することで集中しやすい環境が整い、ミスの発生を防げるのです。
たとえば、作業デスク以外に作業に集中しやすい衝立の設置された作業ブースを設ける、会議室を使う、疲れたときにスナックやドリンクが利用できる休憩スペースを導入するなどの方法が有効です。
また、集中力の持続には室温や室内の二酸化炭素の濃度なども大きく影響します。快適な温度を保つ、適度に換気を行うといったアプローチも有効でしょう。
ツールの導入
各種ツールの導入も経理ミスの防止に有効です。特に、誤記入や書類紛失などのヒューマンエラーによる経理ミスの多くは、ツールやシステムの導入で防止できます。
紙で各種情報を記録していると、紛失が起こりやすかったり特定の情報を探し出すのに時間がかかったりします。これを改善するために有効なのがペーパーレス化です。情報をペーパーレス化しておけば、紛失や誤記入がなくなるほか、検索作業の効率化やテレワークへの対応しやすさの向上といったメリットがあります。ペーパーレス化には、経理のDX(デジタルトランスメーション)化が必須です。
ペーパーレス化以外にも、業務を効率化できる各種サービスやツールの導入が有効です。たとえば、経理作業の中でも定型業務なので自動化しやすい請求書の管理や帳簿などは、請求書管理システムや電子帳簿保存システムの導入で自動化すれば業務効率は大幅に向上します。このように、自動化できる作業は早急に自動化することで、業務効率の向上とミスの防止を両立できるのです。
代行サービスの利用
経理作業の中には、システムの操作に熟練を要するものもあります。また、作業量が膨大だと人手が足りなくなってしまうこともあるでしょう。そうしたときに有効なのが経理代行サービスです。経理代行サービスではプロが経理業務を代行してくれるので、あまり経験のない派遣スタッフを大量に導入するよりも人的ミスを減らせる場合があります。
代行できる業務は代行サービスごとに異なりますが、一般的に記帳や給与計算・年末調整などは代行可能だと考えて大丈夫です。
ミスが発生した場合の対処法
どんなに気をつけていても、ミスは発生するものです。そのため、経理ミスの防止だけでなく経理ミスが発生したときの対処法も用意しておきましょう。
上司に報告する
ミスが発生した場合、どうしても隠してしまいたいと思うもの。しかし、ミスが発生した時点ですぐに報告できればそれだけリカバリーもしやすくなります。そのため、ミスが発覚したらまずは上司にミスの発生時点や関係者の有無、重要性などを報告しましょう。また、ミスの報告をしやすい環境を整えておくことも大切です。
ミスの修正
ミスの報告と前後してミスの修正を行います。状況によっては修正前後のスクリーンショットを残しておくといいでしょう。また、修正の際には正確を期するために初回よりも念入りにチェックしてミスの再発を防ぐことも大切です。
周囲にサポートを依頼する
自分だけで修正が困難な場合や早急な修正が必要な場合は、周囲にサポートを依頼しましょう。また、再度ミスが起こるのを防ぐためにほかの人にダブルチェックをしてもらうのも有効です。
ミスがあっても慌てず冷静に対処する
経理業務上でミスの対策を行っていてもミスが起きるときは起きますが、そのような場合は落ち着いて対処するようにしましょう。ミスが起きたときを想定して事前に対策を練っておくことが大切なのです。
怒られるのがイヤで隠そうとしたり、誰かのせいにしたり、言い訳ばかりにしたりしても意味はなく、評価を下げるだけではなく会社全体のピンチにつながるかもしれません。そうならないよう、対策を練り大きな問題に発展しないシステムを構築するのが重要なのです。
経理代行サービスといっても代行会社によって対応範囲は様々です。自社対応と経理代行サービスのどちらがコストメリットやリスク管理につながるかを比較しながら、サービスの利用を検討してみるのをおすすめします。
ここでは、おすすめの経理代行会社の経理業務のサポート範囲を比較しているので、依頼を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
経理代行といっても代行会社によって対応範囲は様々です。
ここでは、多岐にわたる経理業務の対応・サポートができる経理代行会社3社をピックアップ。各社の対応可能範囲をまとめました。
経理業務を丸投げ
月5万円~依頼できる
経理の特命レスキュー隊

引用元:経理の特命レスキュー隊株式会社公式HP
(https://www.accounting-rescue.com/)
税理士や日商簿記検定1級などの会計資格を持った隊員が、経理業務をまるっとサポート。
一部業務のみを代行
記帳代行だけでも依頼できる
経理外注・記帳代行センター

引用元:経理外注・記帳代行センター公式HP(https://www.tokyo-keiri.com/)
記帳代行や年末調整代行、給与計算代行のみなど、スポットで依頼できるのが特徴。
経理業務フローを改善
体制から見直してくれる
TOKYO経理サポート

引用元:TOKYO経理サポート公式HP
(https://anshin-keiri.eiwa-gr.jp/)
事業内容に沿った経理業務フローの改善提案といった、コンサルティングも行うのが強み。