経理業務は派遣社員に任せた方がいい?
経理業務と派遣社員
このページでは、経理業務を派遣社員に任せることについて、そのメリットやデメリット、どれくらいのコストがかかるのか、といった疑問についても解説しています。
派遣社員が経理業務をおこなうことは珍しくない
社会の働き方が多様化している昨今、様々なバックオフィス系の業務もまた、かならずしも正社員ではなく、派遣社員がおこなっているケースが増えています。経理の業務についても同様です。会社経営に必要不可欠な存在でありながら、営業職などとは異なり、収益を生み出す業務ではない、「経理」という仕事は、「人件費のコストカット」という観点からも、派遣社員に任されていることが珍しくなくなっているのです。
派遣社員が経理業務をおこなう疑問も
その一方で、バックオフィス業務のなかでもとりわけ高い専門性が求められる経理の業務について、「本当に派遣社員に任せてもいいのだろうか?」「本当に派遣社員はそれほどまで優秀なのだろうか?」と、疑問に思われている方も少なくないのではないでしょうか?
確かに経理の業務は、会計知識にはじまり、財務分析や経営計画、経営分析、資金繰り、決算書の書き方といった、広範かつ専門的な知識を求められる業務です。そのため、経験豊かであること、人材として優秀であることが譲れません。また、会社のお金の流れを把握するという業務も併せ持っていいます。経理をおこなう人材は、必然的に会社の営業の業績や経営状況を知りうる立場になるため、「そういった会社の機密を派遣社員が知ってしまっていいのだろうか?」と思われることもあります。
経理業務を派遣社員に任せるか迷っている担当者必見!
実は外部の経理代行サービスに委託することで、コストやリスク管理の面で大きなメリットが得られます。ここでは、おすすめの経理代行会社とそのサポート範囲を比較していますので、ぜひ参考にしてみてください。
経理に派遣社員を雇うメリット・デメリット
まずは、経理の業務に派遣社員を雇うことによるメリットとデメリットについて、みてみましょう。
派遣社員のメリット
人件費の調整ができる
経理スタッフとして派遣社員を雇い入れる大きなメリットは、やはり人件費の調整が可能、という点にあります。派遣社員は、3ヶ月から半年程度と、雇用期間を定めて雇うので、会社のなかで発生する経理業務の分量にあわせて、雇用期間を調整ができます。これにより、人件費についてもコストカットを図ること可能です。
経理の業務であれば、決算や年末調整など、定期的に忙しくなることが決まっている時期にあわせたり、特定の事業の人手不足が見込まれる時期などに限定して、派遣社員の手を借りることができます。もちろん、契約期間が終了したあとでも、契約を更新することで、急に人手が足りなくなる事態は避けられるでしょう。
採用・研修教育のコストを削減できる
正社員を雇用するとなれば、優れた人材を確保するためにも、採用活動にコストがかかることは言うまでもありません。そうでなくとも、求人の募集から対応、入社試験、面接など、採用プロセスには手間がかかります。また、入社後の新人研修などを含めて、教育費も必要です。
派遣社員であれば、派遣会社が面接・採用をおこなっているため、こういったコストの削減ができます。教育費についても、経験豊かな経理スタッフに即戦力として業務を依頼することも可能です。
正社員が本業に集中できる
経理の業務を正社員がおこなうことになれば、社員が時間を取られることになり、営業をはじめとする会社の本業に十分に注力できない、という事態になってしまいます。しかし、派遣社員に経理業務を担当してもらうことで、会社内の業務の効率化を図れ、正社員が本業に集中できる労働環境を整えることに繋がります。
派遣社員のデメリット
会社への帰属意識が低い
派遣社員のなかには、「あくまでも自分は派遣されているだけであり、会社の業務に対してどこまでも責任を負う立場ではない」といった具合に、会社に対する帰属意識や責任感が希薄になっている人もいます。任された仕事以上の業務を積極的におこなおうとする派遣社員ももちろんいますが、そうでない場合、せっかく派遣社員を雇い入れても任せられる業務が限られてしまう、といった事態が発生することも考えられます。
柔軟な業務対応が難しい
派遣社員は、勤務時間や業務の内容について、詳細に労働契約を結んでいます。そのため、急に発生してしまった残業などについて、対応できない場合も少なくありません。また、業務内容を変更しようと思っても、労働契約は、派遣元の企業と結んでいるため、派遣会社との交渉が必要です。このため、業務内容がすべて見通せない、トラブルが発生した、といった場合、派遣社員に仕事を任せられない可能性もあります。
機密情報上の不安
経理の業務は、会社の業績や社員の給与情報といった機密情報を扱う場合もあります。派遣社員から情報漏洩が起こるリスクも考えられるデメリットと言えるでしょう。派遣元から一定の信用が担保されているにせよ、守秘義務の契約などをしっかりと結んでおくことは欠かせません。
人材の入れ替わりが起こりやすい
派遣社員に経理業務を任せる場合、一般的には一定期間(3ヶ月半~半年)ごとに契約を更新します。その際会社と派遣社員の双方が契約更新に同意しなければ、派遣社員に経理業務を継続してもらえません。
さらに派遣社員は同一の事業所のような同じ派遣先において最長3年までしか働けないという法律上の制限もあります。
経理業務を派遣社員に任せる場合、人材の入れ替わりの度に新しい社員に業務を覚えてもらわねばならず業務の効率や生産性が低下する原因に。イレギュラーなことも多々発生するため、人間関係が重要になるこの業務において頻繁な人の入れ替わりはデメリットとなります。
派遣社員にかかるコスト
人件費調整の面でメリットのある派遣社員ですが、実際にかかるコストが気になる人は多いはず。どういった所でコストがかかるのか、料金の内約について見ていきましょう。
派遣料金の内約
正社員を雇う場合、求人費用や教育費用や準備費用が必要ですが、派遣社員の場合これらは不要です。一方、派遣社員を利用するにあたっては、派遣会社に費用を支払うことになります。派遣利用料は派遣社員の給与、派遣社員の社会保険や有休費用、諸経費等、そして営業利益が加算された費用です。
ここでポイントとなるのが営業利益です。派遣会社の利益になるよう費用が設定されていますので直接雇用するより、毎月の人件費は高くなります。初期費用を含めたトータルで考えると派遣社員を利用した方が安価となりますが、依頼する期間が長くなればなるほど派遣社員のコストパフォーマンスは低下し、逆に正社員のコストパフォーマンスが高まります。
派遣賃金とは別に支払うマージン
マージンとは派遣先の企業が派遣会社に支払う手数料・紹介料の総称です。
この点が派遣のポイントです。実際に働いている派遣労働者が受け取る賃金と、派遣会社に支払っている費用は同額ではありません。
派遣会社は、請負先から受け取った費用からマージンを差し引いた額を労働者に給与として支払っています。
しかしマージンが高い会社が一概に悪い会社だとは言い切れません。なぜなら、派遣会社によっては登録者への教育を行うなど派遣会社としての責任を負うことになりますので「高いから悪い」ではなく、マージンに見合った内容を含めているかが問われます。
例え高いマージンではあっても、スタッフの教育が行き届いていれば問題ないのですが、高いマージンを支払っているものの、教育が行き届いておらず、自社のニーズを満たしていないスタッフが派遣されるようであれば「悪い会社」となります。ちなみにマージン率の開示は法律によって定められていますので、気になる派遣会社がある場合、マージン率をチェックしてみるとよいでしょう。
コスト削減するなら派遣・経理代行のどちらが良い?
経理代行と派遣を比較すると、費用面を見れば経理派遣の方が高くなる傾向にありますが、派遣社員の給与や勤務体系によって異なります。
例えば経理代行の場合、一ヶ月からアウトソーシングが可能です。一方、経理派遣の場合数カ月程度は雇用することになりますので短期間だけのニーズであれば経理代行が安価です。経理以外のお仕事も任せたいのであれば派遣会社にてスタッフを任せるのも良いのですが、経理だけに限るのであれば、一般的には経理代行の方が費用の節約につながります。
経理代行の方が派遣社員よりおすすめできる理由
企業のニーズに合わせられる自由度の高さ
派遣社員に依頼する場合、事前に経理業務の内容を確認し、行ってもらいたい業務を全て決めておかなければならず、業務の変更に対応できない場合もあるでしょう。
その反面経理代行では最初から判明している業務内容だけでなく、思いがけず必要になった業務にも対応してもらえるため、常に変化する企業ニーズへ柔軟に合わせられるといった強みがあります。
長期的にサービスを受けられる安定性
派遣社員のように頻繁に契約更新や人材の入れ替わりといったことが生じないため、経理代行では継続して均一なサービスを受けられるのも重要なポイント。
言い換えれば、経理代行は企業にとって末永く信頼できるビジネスパートナーになり得る存在であり、相互にWin-Winな関係性を安定して維持しやすいのです。
専門スキルを有するサービス力
人材派遣会社へ経理担当者を探してもらう場合、どのような人材が見つかるかはタイミングや運次第といった面は無視できません。
高度なスキルを持った人が見つかる場合もあれば、自身の会社が必要としていた人材とは今一つマッチしない人しか派遣登録されていない場合もあるでしょう。
一方、経理代行はそもそも専門性の高い人材が集まる、業種特化型のサービスであるため、企業の求めるニーズにマッチした人材を見つけられる可能性が高いという利点があります。
コストパフォーマンスの高さ
経理スタッフを派遣社員でまかなう場合、業務レベルに対する時給や給与だけでなく福利厚生の面なども考えれば、コスト的にはアルバイトやパート、いっそ正社員を雇用した場合とほとんど変わらなくなるでしょう。
それに対し経理代行に任せる場合であれば、経理業務のみを考えてコスト計算ができるため、結果的に高いコストパフォーマンスを期待できます。
コンサルティングもしてくれる
経理代行会社について詳しく知りたい
経理業務のアウトソーシングも選択肢に
経理の業務は、派遣社員ではなく、プロの経理代行の会社に依頼することもできます。一時的な対応策としてではなく、信頼できる経理のプロがおこなう様々な経理に関するサービスも充実してきています。経理業務をアウトソーシングすることができれば、経験豊かな専門の経理スタッフに業務を任せられるようになるため、非常に有効な手段のひとつと言えるでしょう。本サイトでもおすすめの経理代行業社を紹介しています。ぜひ、チェックしてみてください。
経理代行といっても代行会社によって対応範囲は様々です。
ここでは、多岐にわたる経理業務の対応・サポートができる経理代行会社3社をピックアップ。各社の対応可能範囲をまとめました。
経理業務を丸投げ
月5万円~依頼できる
経理の特命レスキュー隊

引用元:経理の特命レスキュー隊株式会社公式HP
(https://www.accounting-rescue.com/)
税理士や日商簿記検定1級などの会計資格を持った隊員が、経理業務をまるっとサポート。
一部業務のみを代行
記帳代行だけでも依頼できる
経理外注・記帳代行センター

引用元:経理外注・記帳代行センター公式HP(https://www.tokyo-keiri.com/)
記帳代行や年末調整代行、給与計算代行のみなど、スポットで依頼できるのが特徴。
経理業務フローを改善
体制から見直してくれる
TOKYO経理サポート

引用元:TOKYO経理サポート公式HP
(https://anshin-keiri.eiwa-gr.jp/)
事業内容に沿った経理業務フローの改善提案といった、コンサルティングも行うのが強み。