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必要経費の種類は?

事業に関係するものであれば何でも経費で落とせそうですが、経費として認められないものも少なくありません。では、どこまでであれば経費にできるのでしょう。ここでは必要経費の種類や、経費で落とすメリット・デメリット、会社の経費精算と税金の関係などについて解説します。

経費の正しい意味

「経費」は「経営費用」の略で、一般には税務会計における「損金」を指します。「損金」は簡単に言えば、法人税を計算する際に収益から差し引ける費用の額のこと。会社が支出した費用すべてを「損金」にできるわけではなく、費用の一部を「損金」あるいは「経費」といいます。

例えば、「必要経費に計上する」とか「会社の経費になる」といった場合は、「損金」と同じ意味です。

「経費」という言葉を広範囲で使うことも。例えば「飲み代を経費として経理担当に申請する」とか「○○を経費で落とす」といった場合、その飲み代などが交際費なら「損金」にできないケースになります。この場合は「経費」が「費用」という意味合いになるのです。

収益を上げるためにかかったお金が「経費」。つまり、それ以外の支出は経費にはなりません。

経営者は損益計算書(PL)を把握するためにも、経費の範囲をしっかり認識しておく必要があります。

経理代行サービスといっても代行会社によって対応範囲は様々です。自社対応と経理代行サービスのどちらがコストメリットやリスク管理につながるかを比較しながら、サービスの利用を検討してみるのをおすすめします。

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経費の判断基準は損金に算入できるかどうか

経費になるものかどうかは、損金に含められるかどうかで判断します。実際には、会社が支出した費用の多くが損金に算入できるため、算入できない項目に当てはまるか否かを判断することになるでしょう。

損金として認められないものには、以下のようなものがあります。ただ、以下で紹介する項目に含まれない例外もあるため、判断に迷う場合は税理士に確認すると良いでしょう。

役員の給与・賞与

役員給与は原則経費として認められていませんが、事業年度開始から3ヶ月以内に月給を確定すれば、損金に算入可能です。

賞与の場合は事業年度開始から4ヶ月以内に支給額を決定し、管轄する税務署に届出を行った上で届出通りに支払いをした場合に限り、損金として算入できます。

交際費

こちらも原則として認められていませんが、一定の要件に当てはまる場合は損金として扱えます。社外交際費で全額損金として算入できる額は1人当たり5,000円以内。5,000円を超えた部分は会社の規模に応じて、一定額の算入が可能です。

寄附金

一定額までであれば損金として算入。ただし、国や地方公共団体への寄附金の場合は全額損金として算入します。

同族会社と経営者

同族会社の場合、会社と経営者間での取引は認められません。例えば、会社の社長が家族の駐車場を確保するために相場以上の土地を借りる、といったケースです。こういった事例を用いればいくらでも損金を増やせてしまうため、承認されていません。

罰金

税金に関する罰金の場合は損金に算入できません。期限までに支払わなかった場合に課される、国税の延滞税や地方税の延滞金は損金として認められませんが、社会保険料の延滞金に限っては損金に算入できます。

債務が確定していないもの

減価償却以外の費用の中で、事業年度の最終日にあたる日までに債務が確定していないものも損金として認められていません。例えば、「退職給付引当金繰入額」や「賞与引当金繰入額」、「貸倒引当金」などです。

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経費にできるもの(19の基本項目)

節税のためと手当たり次第に経費に入れてしまうと、決算書が不自然なものになり、税務署から調査される可能性が高くなります。経費として申請するには、売上を上げるために必要な費用であると正しく証明できる理由が必要です。

以下では、経費として扱える基本的な項目について解説します。

【1】租税公課

租税の対象となる「固定資産税」や「事業税」「自動車税」、公課の対象となる「印鑑証明書などの発行手数料」や「公共サービスの手数料」などは租税公課に含まれます。ただし、法人税から控除される「所得税」や、「住民税」「罰金」「相続税」などは租税公課に含められません。

個人事業主が自宅を事務所として使っている場合の「固定資産税」や、車を私用と仕事で使っている場合の「自動車税」は、個人で使う分と事業で使う分とで、按分処理して経費に算入する必要があります。

【2】修繕費

建物や建物の設備、器具備品、機械装置などの資産にあたるもので、修理や維持管理のためにかかった費用は修繕費として経費扱いにできます。

ただ修繕費となるのは原状回復のためにかかる費用で、機能や資産の価額をアップさせるための修繕は「資本的支出」と判断されるため、修繕費として扱われません。

「資本的支出」とみなされた金額は資産計上し、減価償却の方法で必要経費に算入します。

【3】荷造運賃

宅急便やメール便、バイク便などの商品発送費、段ボールやビニールテープなどの梱包費、運送費、輸出に関わる手数料などは荷造運賃として経費に含められます。しかし、梱包に必要な材料を大量に購入した場合は、未使用分は必要経費にはなりません。

【4】水道光熱費

電気、水道、ガスなどのライフラインについての費用は、水道光熱費として必要経費になります。ただし、事業に使っている部分のみの支出が経費の対象となります。

自宅を仕事場とし、パソコンを使って事業を行うケースでは、毎月請求される水道光熱費の全額ではなく、2〜3割を経費として申請すると良いでしょう。

【5】保険料

「自動車保険料」や「損害保険料」、「地震保険料」などの保険料は、必要経費に算入できます。

自宅が事業所を兼ねている場合は、住居部分は経費に含められないため、按分処理が必要になります。水道光熱費と同じく、保険料の2〜3割の金額で按分するか、あるいは用途面積で按分すると良いでしょう。

【6】消耗品費

パソコンやデジカメ、タブレットなど事業で使うもので、かつ取得価額が10万円未満であれば、消耗品費として必要経費に算入できます。

またソフトウェアの「ライセンス料」なども、10万円未満あるいは、耐用年数1年未満であれば、消耗品費として経費に含められます。

取得価額が10万円以上のものでも、使用可能期間が1年未満であれば、消耗品費として必要経費に計上できます。

青色申告の場合、「少額減価償却資産の特例」により30万円未満のものは一括でその年の経費として算入することが可能です。

【7】法定福利費

従業員の「厚生年金保険料」や「健康保険料」、「介護保険料」といった社会保険料や、「労災保険料」「雇用保険料」などの労働保険料は、会社が負担する分を法定福利費として、経費に算入できます。

【8】給料賃金

従業員へ支払う「給料」や「賞与」は給料賃金として必要経費に計上できます。ただし、従業員であっても配偶者などの親族に支払った給料は、原則必要経費として認められません。

配偶者などの家族の場合、青色申告を行えば一定の金額まで経費に算入可能です。

【9】地代家賃

事業所や店舗の家賃、駐車場の使用料などの支出は、地代家賃としての必要経費です。自家用車のための駐車場代については、事業に使った部分に限り、経費として認められます。

【10】外注工賃

会社のロゴや名刺、封筒などのデザインを外注した場合、支払った金額は外注工賃として経費に計上。商品のネーミングや会社名、Webサイトの構築などの外注費用も、同様に必要経費となります。

【11】新聞図書費

書籍や雑誌、有料メールマガジンなど、事業を行う上で必要な資料とするために購入した費用は、新聞図書費として経費に計上します。

事業に直接関係のない新聞や雑誌などは、事業を営む上で参考になった部分があれば、必要経費とみなすことが可能です。

【12】支払手数料

金融機関での「振込手数料」や、税理士・行政書士・コンサルタントなどへ支払う「報酬・相談料」、事業所を契約する際に支払う「仲介手数料」、航空券などの解約で発生する「解約手数料」といった経費は、支払手数料として計上します。

【13】寄附金

個人事業主の場合、原則として寄附金の経費算入は認められません。

ただし日本赤十字社への寄附金など、「特定寄附金」に該当する場合は、寄附金控除の対象となります。

【14】減価償却費

固定資産を購入した場合は、購入した年に一括で経費に計上するのではなく、減価償却のルールに従って分割して少しずつ処理します。固定資産にはそれぞれ法令によって耐用年数が決められており、その一定の期間に応じて経費に計上できます。

【15】旅費交通費

事業のために支出した、電車やバス、タクシーなどの交通費や、ホテルなどへの宿泊代は、経費として算入可能です。suicaなどのICカードの場合、駅の券売機で利用履歴を印字できます。モバイルsuicaの場合は会員サイトから利用履歴をダウンロード可能。印字した利用履歴が領収書の代わりになります。

【16】修繕積立金

修繕を行っていなければ、あくまでも積み立てであるため原則として経費に計上できませんが、一定の要件を満たせば算入できます。

【17】未償却の繰延資産

「創立費」や「開業費」、「社債発行費」など、未償却の繰延資産がある場合、いつでも経費として計上できます。例えば、開業当時は赤字続きで数年後に黒字に転じた場合、未償却だった開業費をその年に償却することも可能です。

【18】通信費

電話回線の開設工事費から、固定電話・携帯電話の利用料金、インターネット回線の使用料やプロバイダ料などのインターネット料金、切手代や郵送費などの郵便料金は、通信費として経費に計上できます。

事業用とプライベート用で兼用している場合は、按分処理が必要です。

【19】接待交際費

税務署から特に厳しくチェックされる項目でもあります。

交際や接待を通じて交渉が成立し、売り上げにつながったケースであれば、交際や接待に使った費用を接待交際費として経費に算入可能です。顧客を招いて飲食を伴う会合を開いた場合も、ビジネスに直結する会合であるため経費扱いになります。

経費にできないもの

プライベート用や事業に関係のない支出は、領収書があっても必要経費として認められません。経費にできないものには、以下のようなものがあります。

スーツ代

従業員に買い与えたスーツ代は原則として経費処理が可能ですが、役員のために購入したスーツ代は役員賞与として扱われるため経費に計上できません。

業務中の車の罰金

罰金は原則として経費に計上できません。ただし従業員の罰金を会社が負担した場合、その罰金額は支払給与に含められるため経費として算入できます。しかし、この場合従業員は「所得税」や「住民税」の支払額が増えることに。また車をレッカー移動する場合の費用は、経費として計上できます。

メガネ代

常時かけているメガネはプライベートでも使用しているため、経費として承認されるのは容易ではありません。常にパソコンを使用する仕事で、パソコン用のメガネを購入した場合であれば、経費に算入できる可能性もあるでしょう。

二次会の費用

接待交際費として経費に計上できるのは一次会まで。二次会の費用は経費に算入できません。

スポーツクラブの会費

一人で事業を行っている個人事業主の場合、事業を続けるための健康増進の目的であっても、福利厚生費として扱えないため、経費計上もできません。

健康診断の費用

法人の場合は福利厚生費として経費にできますが、個人事業主の場合はプライベートな支出とみなされます。これも、経費としての計上は不可です。

経費で落とせる?判断に迷う事例

例えば、ディスプレイモニターを購入した場合。品名が書かれた領収書であっても、用途が明らかでないものは、経費として認められにくいでしょう。

事業用の支出であっても、業務で使う場合は「消耗品」、展示会で使うのであれば「広告宣伝費」、商品として販売する場合は「仕入」科目といったように、使用目的によって勘定科目が変わります。

バレンタインチョコレートは経費にできるでしょうか?パッケージに会社のロゴを入れてデザインし、顧客や取引会社の人へ配るといった目的があれば、広告宣伝費として経費にできます。

経費で落とすメリット

事業を営む以上、利益が上がらなければ経営を続けられません。しかし事業で利益を上げれば、納税義務が発生し、利益が上がるほど税金も増加します。

事業のための支出を経費で落とせれば利益が減るため、節税につながります。会社に多くの現金を残せるようになり、資金繰りも良くなるでしょう。

経費で落とすデメリット

節税につながるとはいえ、経費を増やしすぎると赤字になる可能性もあります。経費で落とせても、実際は会社からお金が出ていることには変わりません。

また経費に認められないものを計上してしまうことで、脱税疑惑を持たれる可能性も否定できません。

社長はなんでも経費で落とせるのか

社長が経費で落としているもの

事業用に使うことを前提とした、常識の範囲内での支出は経費として認められますが、車などの資産の場合は長期にわたり使用できるため、一括で償却できません。社長が購入する高額な車は、耐用年数に応じて、数年かけて償却することになります。そのルールをポジティブに捉え、来期以降も売上アップに意識を向けられるようにと、あえて高い車を購入する経営者も多いようです。

また会社の規模によっても変わりますが、社長の生命保険料を会社が負担して経費とすることも可能です。

社員旅行についても、社員一人につき10万円以下であれば経費として認められるため、家族同伴の場合でも、会社の負担額が10万円以下の範囲内であれば経費で落とせます。

社長でも経費で落とせないもの

社員旅行であれば家族同伴でも経費で落とせますが、社長と家族だけで旅行に行く場合は、事業と無関係のため経費に計上できません。また慰安旅行なども役員のみが参加する場合であれば、経費として認められないだけでなく、役員賞与として課税対象になります。

当然ながら、社長によるスピード違反や駐車違反などで生じた罰金も経費で落とせません。

役員報酬も事前に金額を設定する必要があり、同額の給与でなければ経費としての承認は不可となります。

会社の経費精算と税金の関係

経費の精算が煩雑になる理由

経費は法人税上の「損金」を指すことが多く、損金に算入できるか否かは、最終的に税務調査によって判断されます。この段階で損金と認められないものは、修正申告の必要が生じたり、重加算税が課せられたりします。

税務調査が入る前の段階で損金に算入できないと判断できるものは、経費の精算時に区別しておく必要があるでしょう。

税務署に注意されやすい領収書

交際費として経費に参入できる飲食代の額は相場で決まっているため、高額な飲食代は税務署からの注意を受けやすくなります。同じお店を利用している場合に、ある時期だけレシートから領収書に変わっているケースも税務署に疑われる原因に。「お品代」と記載されているだけの領収書は何を購入したのか分からず、事業に関係のないものを購入した可能性もあると疑われる場合もあり、経費として認められないことも珍しくありません。

一般的な相場より高額な備品についても贅沢品とみなされることが多く、経費として認められるのは難しいでしょう。

また購入金額のキリが良い領収書は、実際には購入していないものを経費に計上しているとの疑いにつながることもあります。

領収書がなかったり、不備があったりした場合は?

領収書のもらい忘れや紛失、「再発行できない」「不備があった」といったケースに備え、領収書の代わりとなる書類を保存しておきましょう。

例えば、パーティーの招待状の原本や、忘年会などの開催通知メールを印刷したもの、クレジットカードの利用明細書や、店舗から受け取ったクレジット売上票、銀行振り込みの明細書などは、領収書の補完書類として使えます。いざというときのために、適切に保管しておきましょう。

また自動販売機で飲み物を購入した、食事代を割り勘にしたといった理由で領収書がないケースや、領収書に不足や誤りがある場合などは、出金伝票も利用できます。

【参照資料】

RECEIPT POST(https://blog.keihi.com/4463)

Money Forward Bizpedia(https://biz.moneyforward.com/blog/12079/)

経理プラス(https://keiriplus.jp/efficiency/keihi_jireisyu/#経費にならないもの)

経理代行といっても代行会社によって対応範囲は様々です。
ここでは、多岐にわたる経理業務の対応・サポートができる経理代行会社3社をピックアップ。各社の対応可能範囲をまとめました。

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経理の特命レスキュー隊

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(https://www.accounting-rescue.com/)

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経理外注・記帳代行センター

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引用元:経理外注・記帳代行センター公式HP(https://www.tokyo-keiri.com/)

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引用元:TOKYO経理サポート公式HP
(https://anshin-keiri.eiwa-gr.jp/)

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