関係会社・関連会社・グループ会社の違い
関係会社・関連会社・グループ会社は混同されがち
「親会社」「子会社」「関連会社」「関係会社」「グループ会社」は業務をするうえでよく使われる言葉ですが、正しい意味や正確な使い分けはなかなか難しいものです。
「親会社」「子会社」「関連会社」の関係を中心に、会計実務で使われる紛らわしい関係会社の用語について解説していきます。
関係会社とグループ会社の違い
「関係会社」と「グループ会社」について解説します。
関係会社
親会社・子会社・関連会社をまとめた総称です。関連会社の定義は、財務諸表規則(内閣府令)と会社法によって、厳密に定められています。上場企業の場合は、連結決算をしていることを公表する義務がある会社関係を指します。
グループ会社
親会社や子会社・関連会社をまとめた「関係会社」に近いイメージで使われる言葉。法的で定義された用語ではありません。
親会社・子会社・関連会社の定義
親会社
親会社とは、子会社の議決権の過半数を所有している、もしくは子会社の取締役会で意志決定機関を「支配している」会社のことです。
子会社
株式の50%以上を親会社が所有している会社を指します。役員構成の50%以上が親会社の役職員である状態です。親会社とは、重要な財務・事業の方針決定を支配する契約を結んでいます。資金調達の総額に対して親会社からの融資額(債務保証等含む)が50%以上といった、諸要件が揃うと「子会社」だとみなされます。
関連会社とは
関連会社は親会社の議決権保有比率が20%以上で、関連会社の意思決定に「親会社の影響力がある」会社です。親会社の議決権保有比率が15%以上20%未満の場合でも「親会社が役員に就任している」「重要な融資を実施する」「重要な技術を提供する」「重要な販売・仕入れなど事業上の取引がある」といった要件を満たすと関連会社とみなされます。
経理代行サービスといっても代行会社によって対応範囲は様々です。自社対応と経理代行サービスのどちらがコストメリットやリスク管理につながるかを比較しながら、サービスの利用を検討してみるのをおすすめします。
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関連会社・子会社は親会社との連結決算が必要
親会社と資本関係にある会社は、親会社が決算時に作成する貸借対照表(B/S)に「関係会社株式」と表記されます。親会社が上場企業の場合は、関連会社・子会社ともに連結決算の手続きが必要になります。手続き内容は、資本連結・債権債務の相殺・損益取引の相殺・未実現損益の消去などです。
連結決算とは
連結決算(連結会計)とは、関連会社全体の財政状態や経営成績を連結して決算することです。グループ会社が行う決算方法であり、子会社などの関連会社をもつ企業が対象。グループ企業をもたず、1社しかない場合は連結決算を行いません。
また、連結決算の義務があるのは、有価証券報告書を提出する大会社のみ。「資本金5億円以上、もしくは負債額200億円以上の株式会社」であり、中小企業には連結決算の義務はありません。しかし、「グループ全体の財務状況を知るために、連結決算を行いたい」という場合には、中小企業でも任意に作成できます。
連結決算が必要なケース
連結決算を行う義務があるのは有価証券報告書を提出する大会社のみ、と紹介しました。たとえば、M&Aや子会社を新設したときには、グループ全体の財務状況を把握するために連結決算を行います。
また、大企業では、数百もの子会社をもつことも珍しくありません。その場合、親会社単独の決算情報だけでは実態を把握しにくいため、連結決算によってグループ全体の財務状況を明らかにします。
連結決算の必要性
連結決算が必要とされる理由は、グループ企業全体の財務状況を数値によって把握するためです。
以前大企業では、親会社の決算直前に子会社への販売を増やして利益を計上したリ、土地や有価証券を子会社へ譲渡して利益を操作することがありました。すると、グループ企業全体の実態がわかりづらくなってしまいます。連結決算ではグループ会社間の取引は売上や利益から除外されるため、財務状況の実態がわかりやすくなります。
また、連結決算には粉飾決算を防止する働きもあります。子会社へグループのお金を集めることで見た目上黒字になっていたとしても、実は粉飾決算によるものだった…という事態を防げます。
グループ全体の財務状況が正しく把握できないと、投資家や債権者に不利益が生じる可能性があります。そのため、連結決算が必要とされているのです。
連結決算の注意点
連結決算では、各社のスケジュール管理が重要です。「上場企業の場合は決算後45日以内に連結決算の情報を開示する」というルールがあるため、期限までに子会社や親会社の個別財務諸表などを集め、連結決算の資料を作成しなければなりません。
各社で余裕をもったスケジュールを組むことはもちろん、連結決算に関する業務に不慣れな担当者へのフォローも大切。決算日前に十分な研修を行い、連結決算をスムーズに終えられるようにしましょう。
連結決算の流れ
個別財務諸表を作成し・収集・合計
まずはグループ会社それぞれの個別財務諸表を作成します。合算した際に整合性を得られるよう、会計方針を統一させておきましょう。各社の個別財務諸表を集めたら、合算します。
なお、子会社などのグループ会社が多いほど収集に時間がかかります。そのため、各社で余裕をもったスケジュールを組むようにしましょう。
連結調整前財務諸表を作成する
各社の個別財務諸表を合計したら、連結調整前財務諸表を作成します。
なお、グループ会社内で計上した利益については、控除してから合算します。海外に子会社がある場合は、円貨換算や決算時期のズレの調整も行います。決算時期のズレについては、3ヵ月以内であればそのまま合算できます。
連結修正仕訳を作成する
連結修正仕訳では、グループ間の取引で利益になっていないものを除く作業を行います。たとえば、在庫や利益の相殺、新子会社設立時に発生するのれん償却などが該当します。
連結財務諸表を作成する
連結修正の仕訳結果に基づいて、連結財務諸表を作成します。連結財務諸表には連結損益計算書や連結貸借対照表などがあります。
なお、勘定科目は連結財務諸表規則に従って記載します。金額の重要性が低いものについては、「その他」にまとめることができます。
会計実務で使われる関係会社の用語を知っておこう
経理業務に携わるうえで「親会社」「子会社」「関係会社」「関連会社」「グループ会社」の意味は把握しておきましょう。それぞれの違いや経理上の処理における注意点は、最低限理解して業務すると、思わぬミスの心配も減ります。企業の合併や統廃合が多い世の中で、新聞やメディアでも取り上げられることも多い言葉なので、ぜひ覚えておいてください。
経理代行といっても代行会社によって対応範囲は様々です。
ここでは、多岐にわたる経理業務の対応・サポートができる経理代行会社3社をピックアップ。各社の対応可能範囲をまとめました。
経理業務を丸投げ
月5万円~依頼できる
経理の特命レスキュー隊

引用元:経理の特命レスキュー隊株式会社公式HP
(https://www.accounting-rescue.com/)
税理士や日商簿記検定1級などの会計資格を持った隊員が、経理業務をまるっとサポート。
一部業務のみを代行
記帳代行だけでも依頼できる
経理外注・記帳代行センター

引用元:経理外注・記帳代行センター公式HP(https://www.tokyo-keiri.com/)
記帳代行や年末調整代行、給与計算代行のみなど、スポットで依頼できるのが特徴。
経理業務フローを改善
体制から見直してくれる
TOKYO経理サポート

引用元:TOKYO経理サポート公式HP
(https://anshin-keiri.eiwa-gr.jp/)
事業内容に沿った経理業務フローの改善提案といった、コンサルティングも行うのが強み。